ハノイ市人民委員会は10日、同市バーディン区のホアンホアタム通り・バンカオ通り交差点建設工事の一時停止を求めていた同市文化スポーツ観光局の要請を承認した。同局によると、この付近はかつてのタンロン・ハノイ城王宮の一部にあたるとされ、整地作業の過程でリー(李)朝・チャン(陳)朝・レー(黎)朝期(11~18世紀)の遺物が出土したという。
ベトナム歴史協会のファン・フイ・レー会長をはじめ多くの歴史家は、ホアンホアタム通りはタンロン城王宮の跡地の上に建設されたとの考えを示しており、歴史研究のために残された数少ない場所の一つだとしている。
このため同市人民委は、交通運輸局と都市交通プロジェクト管理委員会に対し、この交差点を含むバンカオ~タイ湖間道路の建設を一時停止するよう指示した。今後文化スポーツ観光局と考古学研究所が調査を実施する。
バンカオ~タイ湖間道路は3730億ドン(約18億2000万円)を投じて建設中。タイホー区トゥイクエ地区とバーディン区リエウザイ地区の面積約4万7000平米が道路用地となる。