ヌックマム(ベトナム魚しょう)の生産地として知られるメコンデルタ地方キエンザン省フーコック島のフーコック・ヌックマム協会は15日、同島でのヌックマムの生産・販売がさまざまな問題に直面していると明らかにした。
昨年同島で生産されたヌックマムの量は1500万リットルだったが、今年1~10月の生産量は790万リットルまで落ち込んでいる。これは市場に出回っているフーコックブランドを冠したヌックマムの1割程度の量に過ぎない。同協会はフーコック産ヌックマムの偽装商品が出回ることで、本物のブランド価値が下落していることに危機感をつのらせている。また、ヌックマム産業の発展計画に適切な関心が払われていないことや、原料の小魚が不足しカンボジアからの輸入に頼らざるを得ないことも課題になっている。
現在、フーコック島で生産されるヌックマムの80%は半製品の形で加工業者に引き渡されているが、加工段階で品質が低下していると考える生産者が多い。そのため、島内で加工・瓶詰めまでを行なう生産方式が検討されている。この方法であれば、コストは増加するが品質とブランドを守ることができるという。