メコンデルタ地方カントー市資源環境観測センターのキー・クアン・ビン所長はカントー大学で開かれたセミナーで「メコンデルタ地方で関心が高まっている問題は、通常の洪水ではなく海水の内陸部への進入だ」と指摘した。アンザン省のティエン川上流部では2000年からこれまでに約1メートル水面が下降しているのに対し、河口付近では逆に20センチ上昇しているため、特に乾季に内陸部への海水進入が進んでいるという。ビン所長は「海水の進入は農産物の生育に悪影響を及ぼすため通常の洪水より危険」だとして、逆流を防ぐ堤防や複数の調節池の建設が必要だと訴えた。