ホーチミン市人民裁判所は25日、日本政府の円借款事業「ホーチミン市東西大通り・水環境改善プロジェクト」の管理委員会で起きた事務所賃貸料着服事件で職権乱用罪に問われた同管理委員会の元委員長(元ホーチミン市交通運輸局副局長)フイン・ゴック・シー被告(56歳)に禁固3年、同管理委員会の元副委員長レー・クア被告(70歳)に禁固2年の実刑判決を言い渡した。
この2被告は、日本の建設コンサルタント大手「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」が政府開発援助(ODA)事業受注のため贈賄したとされる相手。しかし今回の公判では事務所賃貸料の着服のみが問われた。
シー被告らは、同管理委員会の事務所として借り受けた建物をPCI側にまた貸しし、賃貸料の差額約8万米ドル(約720万円)を同僚らと分配するなどした。しかし裁判所は2被告のこれまでの社会貢献や捜査への協力などを酌量して、検察側の求刑(禁固5~6年)より軽い判決を出した。