ベトナムでは景気後退で高額な結婚記念写真の申し込みが激減、アマチュアが写真を撮るようになり、婚礼写真業はかつてほどもうかる仕事ではなくなっている。しかしプロの写真家らは、高価なカメラを使ってもスキルのないアマチュア写真家にはいい写真が撮れないと指摘している。ホーチミン市で有名な婚礼写真家ホアン・チュオンさんは「今は誰でも写真を撮れる時代。だがプロなら現像を写真屋にまかせるようなことはしない。大事なのは美学だ」と語る。
かつて中流階級のベトナム人は、婚礼前の記念写真アルバム作りのためにわざわざ遠出するなど数千万ドン(数十万円)を費やしたものだが、昨今の節約志向でその需要は大幅に減少。婚礼写真スタジオの多くは50~90%の値引きで新婚夫婦を引きつけようと必死だ。しかし値引きにはサービスの低下もつきもので、スタジオ内だけの撮影という場合も多い。
ちなみに、新郎新婦の貸し衣装・化粧・お花・大型ポスターサイズの写真を含めた撮影セット料金(スタジオ内)は、ホーチミン市で180万~240万ドン(約9800~1万3000円)、郊外の地域で150万~200万ドン(約8200~1万1000円)。