ホーチミン市のチョーライ病院でこのほど、同病院の麻酔科の医師が医科大学を卒業していないにもかかわらず採用され、2年間勤務していたことが発覚した。同医師の学歴に疑問を呈する病院への投書がきっかけで分かった。
この投書は「問題の人物はドー・ヒュー・タム氏(38 歳)で、タム氏が卒業したという中部のフエ医科大学の卒業者名簿にタム氏の名前は存在しない。採用時に提出された卒業証書の写は偽造」と告発している。これを受けて同病院の幹部がタム医師を問いただしたところ、タム氏は投書内容が事実であることを認めたため、病院側はタム医師の職務を直ちに停止し、保健省に報告した。
注目すべきは、タム氏がこれまでどの医科大学でも学んだことがないにもかかわらず、採用試験をクリアし、同病院の麻酔医を2年間も勤めていたことだ。医師の採用プロセスは厳しく管理されており、医科大学の卒業証書原本と写を提出しなければならない。しかしタム氏は原本を提出しておらず、写(偽造)のみ提出していた。病院側は「タム氏が麻酔として勤務していた間も医療事故は起こらなかった」としている。