保健省は4日に開かれたヒ素汚染水の使用による中毒の予防に関するセミナーで、ベトナムでは地下水がヒ素に汚染されている地域が少なくないことを明らかにした。
同省の試算によると、全人口の約21.5%にあたるおよそ1720万人が、ヒ素汚染の恐れがある地下水を飲食用に利用している。主な汚染地域は、北部ホン川(紅河)デルタ地方のハナム省・ハノイ市・フンイエン省・ハタイ省・フート省と、メコンデルタ地方のアンザン省。
これまでのところ、ヒ素汚染水の使用による健康被害についての全国調査はまだ行われたことがない。しかし、ハナム省とフンイエン省のいくつかの村での調査によると、井戸水を日常生活に利用している人々の髪の毛や尿から通常より高い濃度のヒ素が検出されている。また、慢性ヒ素中毒の症状である手足の角質化や肌の色素沈着などの皮膚の異常や異常出産も多くみられるという。