「空腹のあまり授業中に倒れる学生もいます」。ロシアのある国立大学で学ぶベトナム人留学生から、こんな訴えが寄せられた。この大学では、ロシアに対する債務返済計画の一環として両国が実施する留学プログラムにより、38名のベトナム人留学生が国費で学んでいる。しかし、2月以降4ヶ月もの間、生活費が一銭も支給されておらず、彼らはみな毎日の食事にも困るほど貧窮しているというのだ。
留学生らは管轄省に手紙を書いたり、ロシアのベトナム大使館へ直接出向いたりして説明を求めたが、「確認中」の一点張り。そこで本紙が関連当局に事情を確認したところ、「留学生38人の6ヶ月分(3月から8月)の生活費5万7000米ドル(約650万円)を6月8日にロシア側に送金した」との回答を得た。送金が遅れたのは、ロシアの銀行側の手違いで処理が遅れたため、とのこと。
大半の留学生の家庭は裕福とはいえず、試験が近いというのに彼らは本を買うこともできないどころか、「来週になっても生活費が届かなければ、試験に備えて体力をつけるため、パソコンを売って肉を買います」という状況。関連当局では留学生らに対し、直ちに大学側に確認するように、と伝えている。