中部高原地方ダクラク省で観光の目玉の1つとなっているアジアゾウ(長鼻目、ゾウ科)が絶滅の危機に瀕している。1975年にはダクラク省全体で400頭生息していたが、90年には200頭にまで減り、現在では50頭を下回っている。野生のアジアゾウの姿を見かけることは今ではもう稀だ。特に、オスのアジアゾウはオスだけが持つ貴重な象牙をハンターに狙われている。
92年に国際自然保護連合がアジアゾウを絶滅危惧種に指定して以来、政府は野生のアジアゾウ保護のためにさまざま政策を取ってきたが、依然保護に関心を持たない者も多い。政府は飼育しているアジアゾウを野生に帰した場合に、アジアゾウが十分に適応できるような環境を維持することを最前の課題とし、アジアゾウの保護・繁殖に関する協力を世界へ呼びかけている。