東南部ドンナイ省ビエンホア市警察でこのほど、同警察に所属する警察官が、窃盗容疑で指名手配中の男だったことが判明した。この男が警察に採用されただけでなく、中級幹部にまで昇進していたという事実に、当局に対する批判の声が挙がっている。18日付ファップルアットタインフォー紙(電子版)が報じた。
(C)PLTP, ナム容疑者(赤枠内) |
指名手配を受けていたのはチャン・ヒュー・ナム容疑者(39歳)。2004年、ビエンホア市ロンビン地区で窃盗事件が発生、同地区に居住するナム容疑者と共犯者が一旦逮捕された。だが、被害者と一時連絡がとれなくなったことを理由に、警察はナム容疑者と共犯者を一時釈放。その後被害者から正式に被害届けが出され、ナム容疑者が主犯格だったことが判明したため、警察はナム容疑者の再逮捕を決定した。しかし、ナム容疑者が逃亡したため、警察は指名手配に踏み切った。
逃亡後、ナム容疑者はドンナイ省ディンクアン郡に住むようになったが、潜伏していたわけではない。同郡の軍警察官募集を知った容疑者は応募し、問題なく採用された。更に容疑者は2006年、警察専門学校を受験、軍警察の経歴があったことから優遇され、あっさり入学が決まった。同校卒業後は特別警察「113」も含む複数の警察機関で様々なポジションを歴任したが、指名手配を出したビエンホア市警察に転勤になってようやく、ナム中尉が指名手配中の男だと判明した。
今回のような騒動が起こった原因について警察関係者は、指名手配の発令がナム容疑者の居住していた地域に届いておらず、地域公安が指名手配の事実を把握できなかったためとしている。だが、同じ省内でありながらも指名手配という重大な連絡が行き届いておらず、犯罪者が警察官になっていたという有り得ない不祥事に、国民からの批判が高まっている。