カンボジアのカジノで多額の借金を負ったため拘束されリンチを受けた被害者たちが、その被害の実態を語り始めた。
ホーチミン市在住の男性Kさんは、カンボジアのカジノ「ウィン(Winn)」で持参した金を使い果たし、ズンと名乗る男から1万ドル(約81万6000円)を借用して勝負に出た。しかし結果は負けで、ズンの一味に身柄を拘束されてリンチを受けた。今年7月19日に脱出を試みたが発見され、罰金として3000ドル(約24万5000円)を上積みされた。
Kさんが監禁されていた部屋には約10人の人質がいたという。ズンの一味は毎晩酒を飲んで戻ると、人質に殴る蹴る、電気鞭を使って気を失わせるなどの暴行を加えた。また、暴行の最中に人質の家族に電話をかけさせ、現金を持参するよう言わせていた。
Kさんの妻Tさんの証言によると、見知らぬ男から電話があり、夫が暴力を受けて虫の息だと連絡があったという。現金を持ってこなければ人を雇ってでも夫を殺害すると脅され、Tさんが金を工面して持参したため、Kさんは無事解放された。
Kさんは在カンボジア・ベトナム大使館とカンボジアの警察当局に被害届を提出、これを受けてカンボジア警察がプノンペン近郊にある犯人のアジトを発見し踏み込んだ。このとき一味は逃走した後だったが、拘束されていたベトナム人6人を救出したという。救出された東南部ビンフオック省の被害者Tさん(20歳)は、「今年6月に親戚の男に誘われてカンボジアのカジノでギャンブルし1万6000ドル(約130万円)の借金を負った。一味は私の頭をそり、リンチを受けて血だらけの顔の写真を家族に送って金を要求した」と証言した。