ホーチミン市で22日午前、病院に向かうタクシーの中で妊婦が産気付いて出産を開始し、運転手の機転で最寄りの病院に運ばれ無事出産を終えるという出来事があった。
ザーディンタクシー社の運転手グエン・バン・ロイさん(27歳・男性)は同日午前7時ごろ、出産のためニャンザンザーディン病院に向かう妊婦グエン・ティ・ホン・ジーさんを乗せ発車した。発車後まもなくジーさんが激しい陣痛に襲われたため、ロイさんは最寄りの病院を探してタクシーを走らせることになった。その後すぐに赤ん坊の泣き声が聞こえて出産が始まったことを知ったロイさんは、タクシーを止めて雑誌数冊を赤ん坊の頭の下にあてがった。ロイさんはジーさんの付き添い者に赤ん坊を支えているよう指示してから、スピードを上げて病院に向かった。
結局ジーさんは最寄りの175病院で無事3キログラムの赤ん坊を出産したが、医師の話では、病院への到着があと10分遅くなっていれば、母子共に危ない状況だったという。一刻を争う事態に対応するため、自動車侵入禁止の道や一方通行の道を逆走したロイさんは交通違反で処分されたが、母子の無事を知って非常に満足しているという。なお、ロイさんは独身で出産場面に出くわしたのは初めて、と話している。