ホーチミン市工業大学がホーチミン市9区サイゴン・ハイテクパーク内に新設する「ベトナム−日本技術大学」(Vietnam Japan Technology College)に、金沢工業大学が作成したカリキュラムが採用されることが決定し、協力関係に関する覚書の調印式が30日に行われた。金沢工業大学にとっては初のカリキュラムの「海外輸出」となる。
2020年までに産業立国を目指すベトナムは日本企業を積極的に誘致しているが、日本人経営者のもとで実際に会社を動かしていくマネージャーがいないことが日本企業のベトナム進出にあたっての問題となっている。
そこでベトナム経済の中心地、ホーチミン市にあるホーチミン市工業大学が、日本のものづくりを理解した技術者、マネージャー育成を目指す日本型ものづくり大学として3年制の「ベトナム−日本技術大学」を市内のサイゴン・ハイテクパーク内で新たに設立することになった(建屋は年内に完成)。
ホーチミン市工業大学は今年5月、日本の主な理工系大学を視察し、カリキュラムを調査。その結果、「チームであいまいな問題に取り組み、解決すべき課題を明確にして、制約条件のもとで解決策を創出し、実施する」教育プログラムをカリキュラム全体で実施している金沢工業大学が日本型ものづくり大学として最も優れていると評価され、金沢工業大学がカリキュラムを作成し提供することになった。
なお、「ベトナム−日本技術大学」は将来的に15歳からの教育も構想しているため、覚書は金沢工業大学と金沢工業高等専門学校、ホーチミン市工業大学の3校で交わされた。