- 異例のスピード出世を続ける元首相息子
- 49歳ギ氏がホーチミン党委筆頭副書記に
- 父親のズン元首相は1月に金星勲章受章
グエン・タイン・ギ建設相は政治局の決定により、ホーチミン市共産党委員会の筆頭副書記(2020~2025年任期)に任命された。同決定は1月25日に発表された。同氏はグエン・タン・ズン元首相(2006~2016年任期)の息子として広く知られている。
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ギ新筆頭副書記は1976年生まれの49歳。出身地は南部メコンデルタ地方カマウ省で、土木工学博士号(米国ジョージ・ワシントン大学)の学位を有する。
経歴について、ビテクスコ・グループ(Bitexco Group)顧客関係プロジェクト管理部長、ホーチミン市建築大学講師、同副学長、建設次官、南部メコンデルタ地方キエンザン省共産党委員会副書記、同省人民委員会主席、同省共産党委員会書記、建設次官(再任)を歴任し、2021年に建設相に就任した。
同氏は32歳の若さでホーチミン市建築大学の副学長に就任。その後も、35歳で党中央執行委員会の予備委員に抜擢され、39歳でキエンザン省共産党委員会書記、45歳で建設相に就任するなど異例のスピード出世を続けている。
57歳で首相に就任して改革派と言われた父親のズン元首相までもが、ほかの政治家同様に縁故を重んじるのかと批判する声が挙がる一方、一族の多くが国内外の名門大学出身という華やかな経歴で、実力と権力を併せ持つ元首相一族に憧れを抱く人も少なくない。
なお、ズン元首相は1月20日、トー・ラム書記長から国内最高栄誉勲章であるサオバン(金星)勲章を授与された。ベトナムはズン元首相の在任中、ロシア(2012年)、インド(2016年)と包括的・戦略的パートナーシップ関係を構築。
さらにベトナムは2007年に世界貿易機関(WTO)に加盟し、国際経済への統合を意欲的に推進。日越経済連携協定(VJEPA、2009年発効)や、ベトナム・韓国自由貿易協定(VKFTA、2015年発効)、ベトナム・ユーラシア経済連合(EAEU)自由貿易協定(VN-EAEU FTA、2016年発効)など、複数の二国間・多国間の貿易協定を締結し、これらが外資誘致の原動力となっている。