- 日本で年間約1万人発症、約1500人死亡
- 日本では外国生まれの患者数が増加傾向
- ベトナムは25年5月26日から健診受付開始
日本における結核患者の発生状況としては、り患率(人口10万人あたりの新登録結核患者数)及び患者数ともに年々減少傾向にあるが、いまだに国内で年間約1万人が発症し、約1500人が死亡している(2023年)。
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また近年、日本では外国生まれの患者数が増加傾向にあり、2023年の新登録結核患者数(1万0096人)のうち外国生まれの患者数は1619人となっており、特に多数に感染させる可能性の高い若年層では、新登録結核患者数の大半を外国出生者が占めている。
こうした中、特に日本における結核患者数が多い国の国籍を有する者のうち、日本に渡航して中長期間在留しようとする者に対して、結核を発病していないことの証明を求める入国前結核スクリーニングを開始し、結核を発病していないことを証明できない者の入国を認めないこととする。
2025年3月以降に準備の整った対象国から、指定健診医療機関における健診受付及び在留資格認定証明書交付申請時または査証申請時における結核非発病証明書の提出義務付けを順次実施する。
入国前結核スクリーニングの対象者は、原則として、日本に在留中に結核と診断された外国生まれの患者の出生国のうち多くの割合を占めるフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、中国の国籍を有し、中長期在留者(再入国許可を有する者を除く)並びに特定活動告示第53号及び同第54号(デジタルノマド及びその配偶者または子)として日本に入国・在留しようとする者とする。
ただし、例外として、居住国の滞在許可証などにより、現在の居住地が対象国以外の国または地域であることが確認された場合は、対象外とする。
2023年における対象国生まれの結核患者数は、◇フィリピン:317人(出生国割合19.6%)、◇ベトナム:272人(同16.8%)、◇インドネシア:231人(同14.3%)、◇ネパール:229人(同14.1%)、◇ミャンマー:155人(同9.6%)、◇中国:148人(同9.1%)となっている。
入国前結核スクリーニングの開始時期について、ベトナムは2025年5月26日から健診の受付を開始し、2025年9月1日から結核非発病証明書の提出を義務付ける予定だ。
このほか、フィリピンとネパールは2025年3月24日から健診の受付を開始し、2025年6月23日から結核非発病証明書の提出を義務付ける。インドネシア、ミャンマー、中国については、開始に向けて調整中だ。