5月17日にベトナムで公開されたベトナム映画「Vo Ba(The Third Wife)」は、5月21日以降の上映が中止となった。同作品の製作会社が20日、文化スポーツ観光省に上映中止を申し出たという。
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同映画では、撮影当時13歳だった女優グエン・フオン・チャー・ミーが「第3の妻」役としてラブシーンを演じたことが物議を醸している。
製作側は「これ以上問題が大きくなってチャー・ミーの家族、そして彼女の女優人生に影響が及ぶことは避けたい」とし、上映中止を決定。キャストやスタッフ、ファンに謝罪した上で、映画の制作や配給に際して法に触れることはしていないと強調した。
これを受けて、文化スポーツ観光省は20日、同省傘下の映画局に対し、レイティング基準C18(18歳未満鑑賞禁止)の映画の配給許認可手続きを見直し、24日までに報告するよう要請した。
今回のラブシーンについてチャー・ミーの母親は、撮影時は現場に男性は同席せず、いずれも女性の監督と助監督、カメラマンしかいなかった上、母親自身も常に現場に付き添っていたとし、問題はないとコメントしている。
同映画は若手女性監督のアッシュ・メイフェア(グエン・フオン・アイン)氏が手掛けたもので、19世紀後半のベトナムの農村を背景に、歳の大きく離れた男性と結婚させられた若い女性の葛藤を描いた物語となっている。
同映画はベトナムでの公開に先立ち世界各国の映画祭などで上映され、数々の賞を受賞。このほか、国際的なメディアや映画評論家からも高い評価を受けてきた。ベトナムでの上映は中止されたが、引き続き海外で配給を進めていく計画だ。