「白い手拭いの人(Nguoi khan trang)」というペンネームで50年以上にわたって400冊以上のホラー小説を書き続けている作家がいる。ベトナムで最も多くのホラー小説を書いている有名作家だが、その私生活はほとんど知られていない。5日付ベトナムネットが報じた。
(C)Vietnamnet、フイン・トゥオン・ダン氏(左) |
作家の本名はフイン・トゥオン・ダン、1938年1月2日にメコンデルタ地方アンザン省で生まれた。ダン氏は「トゥオン・ホン」や「ホアン・クイン」など様々なペンネームを使ってきたが、最も知られているのはホラー小説を書く時の「白い手拭いの人」だろう。このペンネームは1960年代にダン氏がサイゴン文科大学の学生だった時から使っている。
処女作は1966年6月に出したが、1975年から14年間は執筆が禁止された。その後雑誌などで仕事をし、「白い手拭いの人」が復活したのは2003年から。ダン氏によると、白い手拭いは葬式の時に遺族が頭に巻く白い鉢巻きのことで、ホラー小説のシリーズにふさわしいペンネームだと思ったという。
御自身は幽霊の存在を信じているのかとの問いに、ダン氏は「自分がいると信じれば存在する。なぜなら幽霊は人の良心そのものだから」と答えた。彼の考えでは、死は終わりを意味するものではなく、死んだ人はこちらの世界からあちらの世界へ移動するだけだという。