8月に公布される予定の芸術公演活動に関する新政令案では、いわゆる口パク(録音した音に合わせて口を動かす事)をした歌手に対し、公演禁止の罰を科すと規定されている。文化スポーツ観光省芸術公演局のブオン・ズイ・ビエン局長によると、この政令草案に対する意見を現在も聴取中だが、効果的な罰則を科す方向は固まっているという。14日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
口パクは現行の政令でも禁止されており、違反者には300万~600万ドン(約1万2000~2万4000円)の罰金が科されることになっている。しかし罰金を科された歌手はまだおらず、形式的な罰則規定とみられている。実際には口パクする歌手が多く、発見されるたびにマスコミで糾弾されてはいるが、歌手が謝罪して終わりというケースがほとんどだ。
サイゴンメディアのグエン・テー・タイン社長は「口パクを止めさせるには歌手の公演を禁止するしか方法はない。口パクすることを依頼したり認めたりした主催者や音声技術の責任者にも罰を科すべきだ」と強調した。実力派の男性歌手クアン・リンさんは「もし口パクを本当に禁止したら、恐らく8割の歌手が失業してしまうだろう。ライブで歌う実力が備わっていないから」と話している。