- モビフォンの公安省移管が決定
- 1993年設立、国内初の携帯キャリア
- 以前は情報通信省、その後はCMSC傘下
携帯通信大手モビフォン(MobiFone)は2月28日付けで、「企業における国家資本管理委員会(CMSC、通称:スーパー委員会)」から公安省に移管された。今回の移管は、国家構造改革の中で行われる政府機関の構造改革の一環とされている。
![]() (C)Nha Dau Tu |
ベトナムでは、国家構造改革・効率化に関する2017年10月25日付け共産党中央執行委員会の決議第18号-NQ/TWに従って、党・政府機関の再編が進んでおり、その一環として、CMSCの解散が決定。
モビフォンは1993年の設立で、ベトナム初の携帯キャリアとして知られる。2014年から2018年までは情報通信省の傘下だったが、2018年11月からはCMSCの傘下に入っていた。同社の2024年の税引前利益は2兆0480億VND(約119億円)。
モビフォンでは以前、同社がデジタルテレビ放送サービスを提供する地場オーディオ・ビジュアル・グローバル(Audio Visual Global=AVG)株95%を購入し多額の公的資産損失をもたらす汚職事件が発生。同事件は、AVGが企業価値評価で大幅に水増しされ、モビフォンがAVG株95%を実質的な価値を大きく上回る価格で購入したというもの。
同事件の裁判は2019年から2020年にかけて行われた。「公的資金管理・使用に関する規定に違反し甚大な損害をもたらした罪」と「収賄罪」に問われた元情報通信相(2011年~2016年任期)のグエン・バック・ソン被告(男)が終身刑、その後任だった元情報通信相(2016年~2018年任期)のチュオン・ミン・トゥアン被告(男)が14年の禁固刑となり、モビフォン元会長 兼 社長のレ・ナム・チャー被告も20年の禁固刑を言い渡された。