ホーチミン市直轄トゥードゥック市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)内で25日、ファム・ミン・チン首相の立会いのもと、第4次産業革命(インダストリー4.0)センター(C4IR)が開業した。

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　同センターはホ−チミン市の持続可能な発展を促進する新たな原動力となり、全国にも強い影響を与えることが期待される。

　C4IRホーチミンは、世界経済フォーラム(WEF)とベトナム政府との間で締結された2023～2026年の覚書(MOU)の一環として進められる事業で、同市人民委員会の傘下に置かれている。

　同センターは、C4IRマレーシアに続き、東南アジアで2か所目のC4IRとなる。開業により、ホーチミン市はWEFの世界的プログラムに参加することになり、新たな成長推進力の形成や投資誘致、国家競争力の向上に寄与すると期待されている。

　同センターは、事業に参画する管轄当局や企業、大学によって共同運営され、メンバーは資金面や人材面で管理運営に参画する。ここでは、産業変革分野における研究協力、政策提案、各種リソース動員、技術移転を推進していく。

　SHTPでは、半導体・ICチップ、バイオテクノロジー、新素材、ドローン、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの分野を含む、第4次産業革命に沿ったテクノロジーエコシステムが形成されている。

　C4IRホーチミンの創設メンバーには、◇ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学＝VNU-HCM)、◇ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル＝Viettel)、◇地場系コングロマリット(複合企業)ソビコ・グループ(Sovico Group)、◇HDバンク[HDB](HDBank)、◇テクコムバンク[TCB](Techcombank)など、10組織が含まれる。

　中でも、ソビコ・グループの存在感が大きい。HDBはソビコ・グループが出資し、クレディ・セゾンが出資する金融子会社を傘下に抱える中堅民間銀行だ。ソビコ・グループは、国内最大手の格安航空会社ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)にも出資している。

　HDBはSHTP内に面積3万5000m2のイノベーションセンター「ギャラクシー・イノベーション・ハブ(Galaxy Innovation Hub)」を展開しており、日本のニデック株式会社(京都府京都市)やニプロ株式会社(大阪府摂津市)、韓国のサムスン(Samsung)、米国のフェイスブック(Facebook)、インテル(Intel)、グーグル(Google)など、多くの多国籍テクノロジー企業を誘致している。

　また、VJCはSHTP内に航空技術センターを展開しており、欧州航空安全機関(EASA)のコックピットフライトシミュレーターを導入し、パイロットの訓練などを行っている。