ベトナムでは非常に多様な地場料理が楽しめる一方、最近では海外の様々な料理が楽しめるようになっています。一方でベトナムの家庭では日常的にどのような料理を作っているのでしょうか?本調査のため、週に5回以上料理をしている300人のベトナム主婦から6,000枚以上の食事の写真を集め、詳細な分析を行いました。一週間にわたり、これらの主婦たちは自分たちの料理の写真を撮影してもらい質問に回答してもらう形でベトナム人主婦の調理事情について調査を行いました。
圧倒的人気のベトナム料理
調査対象者が作った食事の96%がベトナム料理でした。さらに、84%の女性は一週間を通してベトナム料理だけを作っていました。外食では様々な国のレストランが人気を博している一方で、調理に関しては圧倒的にベトナム料理中心です。20代と30代の女性やホーチミン在住の主婦はよりベトナム料理以外のメニューを調理する傾向が少なくないものの、年配者やハノイとなるとベトナム料理中心の調理習慣となっています。
調理習慣や人気の調味料は
調査対象の主婦たちは平均で1日に3.2回料理をしており、週末となるとより多くの時間をかけて両意を用意しています。共働きの人が多く忙しいこともあり、平均調理時間は62分でした。特に「栄養」「料理のしやすさ」「家族の好きなメニュー」などを念頭に料理内容を決めているようで、スープ・揚げ物・煮物などが特に人気です。また、週末は「家族のご褒美」を意識するなどより多くの料理を時間をかけて準備しているようです。
また料理においては様々な調味料が利用されており、特にベトナムの魚醤「ヌックマム」は、料理の37%で使われおり、調査期間中には全ての人が利用していました。スープパウダー、玉ねぎ、にんにく、砂糖、コショウなどの調味料も非常に人気があります。MSGは75%のユーザが1週間のうちに利用しているなど浸透度が高いのに対して、マヨネーズは26%、ケチャップは21%などとかなり利用に差があります。
栄養と便利さに対する考慮
これらのデータを見るとベトナム人主婦が非常に自国の料理の調理頻度が非常に高いことや、ヌックマムなどの地場調味料に依存していることがわかってきました。外食生活においては多様な調理が楽しめるようになっているのとは非常に対照的に感じます。一方で今後外食経験からの海外料理への関心や、料理サイトなどの充実、冷凍食品や中食などの浸透によって少しずつ調理生活も若者を中心に変化していくのではないでしょうか。