![]() (C) baoxaydung |
1970~1980年代のハノイ市民が幼少期から慣れ親しんできた、同市チャンニャントン(Tran Nhan Tong)通りに位置する統一公園の正門付近にある「鏡の館」が、間もなく改修工事を終えて2018年1月にリニューアルオープンする見通しだ。
「鏡の館」または「笑いの館」とも呼ばれるこの施設は、1979年にチェコスロバキア政府が建設し、ベトナムに寄贈したもの。しかし、長い年月の間に施設は老朽化し来場客も減り、次第に人々の記憶から忘れ去られてしまった。
現代の子供たちや今では親となったかつての子供たちに新たなエンターテイメントの場を提供すべく、グエン・トゥ・トゥイさん、グエン・ホアン・トゥンさん、ブイ・ベト・ドアンさんの画家3人とタンハノイ芸術社が連携し、リニューアル工事を展開中だ。リニューアルは完了間近で、残すところはギャラリーの3D壁画の制作のみとなっている。
施設内は50枚の鏡を使った「鏡の迷路」になっており、道を誤ると鏡で遮られた行き止まりに当たるが、その鏡はまるで前方に進めそうな錯覚を与え、騙されて鏡にぶつかる人もいる。壁面には陶器を使ったモザイク画になっており、東北部地方クアンニン省のハロン湾やチュオンサ諸島(英名:スプラトリー諸島、中国名:南沙諸島)が浮かぶ南シナ海の深海を表現している。制作にあたったトゥイさんによると、壁画はチュオンサ諸島の主権を主張しているという。
迷路を進むと8面鏡が設置された円形の部屋につながる。鏡はチェコスロバキアで製造された変形鏡で、人や物が変形して移り見る人を楽しませること間違いない。また、施設内には1979年建設時にチェコスロバキア政府から寄贈された3体の像がそのまま残されている。
改修工事が完工すれば、海をテーマにした世界最大のモザイク画(812m2)としてギネス世界記録に登録される予定。