サッカーのワールドカップ開催を控え、ベトナムでもファンの熱気は高まり始めているが、開催地ドイツに住む多くの越僑(在外ベトナム人)はどのような盛り上がりを見せているのであろうか。
ベルリン市内の大学に通うベトナム人学生のズイさんは「ちょうどテスト期間と重なるからつまらないよ」と悔しそうに語る。彼は昨年10月にFIFAのウェブサイトで観戦チケットの購入を試みたが、1番安い座席も既に完売していたという。
多くの越僑が衣料品などを販売するGreiswalder市場で一組のベトナム人夫婦に話を聞くと「ここでは何の活気も感じられません。通常、ドイツ人は夏季休暇を利用して旅行に出かける準備のため、洋服などを買いに来ますが、今年は地元でワールドカップが開催されるため、家に留まって観戦する人が多いようで商売上がったりです」と困惑した様子で話す。
同市内でサッカー賭博を組織するベトナム人のドンさんは「今年はドイツ経済が落ち込んでいるせいなのか、在住ベトナム人の生活に余裕がないのか分かりませんが、例年と違い参加者が少なく盛り上がりません」と語る。
このように当の開催地に在住するベトナム人たちは生活費を稼ぐために日々忙しく、ワールドカップどころではないのが現状のようである。