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「これはこの業界にとって今も難しい問題です。多くの新人は、出演料を低く提示されたり、時には歌わせてもらうために自ら積極的に出演料を下げたりするんです。これによって目に見えない不均衡が生じ、市場でのこの仕事の価値が下がってしまいます」とダンさんは分析する。
ダンさんにとって、歌うことは単なる趣味の副業というだけでなく、追い求めるべき理想の、大好きな仕事でもある。そして、毎晩のパフォーマンスは自分自身を高め、自身の芸術性を磨く機会にもなっている。
「歌声は単なる音ではなく、呼吸や眼差しを通じて聴く人の心の奥深くにある感情に響く、心から伝わる振動なんです。上手に歌うことはただのテクニックではなく、歌い手が一言一句に心を込めて届ける本当の感情と誠実さでもあります。だからこそ、この仕事がもたらす真の価値が皆に認められることを願っています」とダンさんは胸の内を語る。
現在、ホーチミン市1区ブイビエン通りのカフェで歌っているカオ・レ・ミン・チャンさん(23歳・女性)も同じ意見で、ステージは感情を育み広めていく場所だと考えている。そのため、この仕事で生計を立てるのが簡単ではなくとも、情熱を注いでいる。
チャンさんは、出演料は練習と技術を磨く努力に対する対価だと考えている。一方で、若い歌い手たちは音楽への情熱が悪用されないよう、出演のチャンスをつかむ方法を知り、常に冷静に、仕事を受ける前に報酬について明確に話し合う必要があると話す。
「今、歌の市場はとても競争が激しく、どこにでも多くの才能ある人たちが溢れています。この仕事を長く続けていくためには、それぞれが学びを止めず自分自身を高め、チャンスをつかむために日々努力を積まなければなりません」とチャンさんは語った。