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しかし、音楽院を卒業しても音楽の道で生きていくには不安定だという。ニャンさんは、日中は生計を立てるために機械工として働き、夜はステージにすべての時間を捧げている。
「今まで歌った時に何度か、ギターの演奏がまだ終わらないうちにお客さんが拍手をしてくれたり、持ち時間が終わってもお客さんがアンコールのリクエストをしてくれたりということがありました。そういった瞬間が、自分の歌声や、歌のパフォーマンスを続けていくことに自信を与えてくれます」とニャンさんは打ち明ける。
テト前には、カフェや喫茶店、年末のイベントでの歌の仕事の需要が急激に増えるという。「公演の数が増えるだけでなく、出演料も普段の3~4倍に上がります。だから、テトの時期は私も仲間たちも、収入を増やすために合間を縫って歌いに行くんです」とニャンさんは話す。
歌の仕事を始めて6年以上になるチャン・グエン・ダンさん(男性)は現在、ホーチミン市ビンタイン区グエンフウカイン通りのサイゴンパール・ビラズ(Saigon Pearl Villas)で働いている。
ダンさんによると、仕事を始めた当時の出演料はとても低く、2~3時間歌って一晩で11万VND(約680円)しかもらえないこともあったという。出演料だけでは衣装代やガソリン代、その他の出費を賄えないことが普通だった。
「私自身も当時はまだ経験がなかったので、ステージに立ち、皆に自分のことを知ってもらうために歌っていました。おかげでより多くのステージに上がるチャンスを得ることができたので、出演料についてはそれほど気にしていませんでした。でも、今思えば当時は自分の仕事が正当に評価されていなかったのではと思います」とダンさんは語る。
ダンさんは、現在は安定した出演料をもらえるようになったものの、この仕事を始めたばかりの若い人たちと話した時に、彼らが以前の自分と同じような状況にあることに気づいた。