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ある日は近所の人から分けてもらった野菜を使って昼食の準備をする。家の中で最も貴重な財産といえば、見知らぬ人が「姉妹が番組を観て楽しみを得られるように、悲しみを和らげられるように」と贈ってくれた薄型テレビだ。
「ご近所さんは、ベーチャイ(廃品回収に出す空き缶や空き瓶など)を集めて、私たちに引き取りに来るよう電話をくれます。しかも、私たちからお金を受け取ることもなく、無料で譲ってくれるんです。一番上の姉が亡くなってから、悲しい気持ちはありますが、看病の大変さはなくなったので、体重も29kgから3kg増えました」とアイさん。
姉妹の「ご近所さん」のイエンさん(女性・50歳)によれば、姉妹が支え合いながら生活している様子を見て、自分だけでなく、近所の多くの家も同じように、ベーチャイを集めて姉妹に譲っているのだと話す。
「近所の皆が彼女たちを気にかけています。貧しい労働者ばかりで、大金を分けてあげられるほど裕福でもありませんが、それでも彼女たちの暮らしぶりを目にして、気にかけるんです。去年、お姉さんが亡くなったときも、近所の人たちがすぐに駆け付けました」とイエンさんは語る。