[特集]
住み良きホーチミンのご近所付き合い、支え合い助け合う【後編】
2024/10/27 10:10 JST更新
(C) thanhnien |
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ホーチミン市11区タウエン(Ta Uyen)通りの路地にある、狭く古びた2階建ての家には、全員独身の姉妹5人が暮らしている。入口の前は資源回収(ベーチャイ=ve chai)の品々でいっぱいだ。
姉妹は、ファム・ブオン・レさん(76歳)、ファム・フン・ミーさん(71歳)、ファム・フン・アイさん(69歳)、ファム・マイ・ムオイさん(67歳)、ファム・フン・リエンさん(64歳)の5人だ。もう1人、長女のファム・ハーさんは、少し前に脳卒中と糖尿病で亡くなった。
姉妹は幼いころからこの家に住んでおり、両親が亡くなった後もそれぞれ家庭を持たず、姉妹で一緒に暮らしている。
長女のハーさんの葬儀は、近所の人たちや地元当局、ボランティア団体などのサポートにより執り行われた。
アイさんによれば、姉妹は歳をとってあまり働けなくなってしまったが、それでも食べるものや着るものに困ることはないという。というのも、多くのボランティア団体のメンバーや近所の人たち、地元当局が気にかけてくれているからだ。アイさんは、皆には感謝してもしきれないと話す。
「私たち姉妹が料理をしているのを見て、ときどきご近所さんが野菜や食料を分けてくれることもあります。去年、姉が亡くなったときも皆さんがサポートしてくれて、無事に葬儀を執り行うことができました。健康状態さえ安定していれば、他に何も心配することはありません」とアイさんは語る。
ある日は近所の人から分けてもらった野菜を使って昼食の準備をする。家の中で最も貴重な財産といえば、見知らぬ人が「姉妹が番組を観て楽しみを得られるように、悲しみを和らげられるように」と贈ってくれた薄型テレビだ。
「ご近所さんは、ベーチャイ(廃品回収に出す空き缶や空き瓶など)を集めて、私たちに引き取りに来るよう電話をくれます。しかも、私たちからお金を受け取ることもなく、無料で譲ってくれるんです。一番上の姉が亡くなってから、悲しい気持ちはありますが、看病の大変さはなくなったので、体重も29kgから3kg増えました」とアイさん。
姉妹の「ご近所さん」のイエンさん(女性・50歳)によれば、姉妹が支え合いながら生活している様子を見て、自分だけでなく、近所の多くの家も同じように、ベーチャイを集めて姉妹に譲っているのだと話す。
「近所の皆が彼女たちを気にかけています。貧しい労働者ばかりで、大金を分けてあげられるほど裕福でもありませんが、それでも彼女たちの暮らしぶりを目にして、気にかけるんです。去年、お姉さんが亡くなったときも、近所の人たちがすぐに駆け付けました」とイエンさんは語る。
イエンさんによれば、この姉妹に限らず、近所の家族が何か大きな問題を抱えていたり、誰かが亡くなったりすれば、近所の皆でサポートするのだという。この地域には中華系の人が多く集まっており、後に北部から移住してきた人もいる。
「同じ地域に住んでいれば、ときに意見の相違は避けられません。それでも、お互いの家族に何かあればお互いに譲歩し、見捨てることはありません。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を経て、予測不可能なことが起こり得るのだとわかり、団結を保つべく、私たちはいつもエゴを押し付けることのないように努力しています」とイエンさん。
また、同じ路地に住むフンさん(男性)もまた、姉妹が通りかかるたびに声をかけている。フンさんによれば、姉妹は幼いころからずっと優しく、誰かを傷つけることなく生きているのだという。
「私もよく、少しでも姉妹の生活費の足しになればと、姉妹にベーチャイを譲っています。それに、姉妹はよくお向かいの家に行っておしゃべりをしたりもしているので、孤独ではないでしょう」とフンさんは語った。
[Thanh Nien 12:53 13/10/2024, A]
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