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トゥアンさんは折り紙本のコレクターでもあり、世界中の1000冊に及ぶ折り紙の本を持っている。「それぞれの本にはそれぞれの思い出があります。これらの本を入手するのは決して簡単なことではなかったので、私はその本をどのようにして手に入れたのか、よく覚えているのです。日本で出版され、日本国内でしか販売されていない本もあります。
本の収集は、私のベトナムでの折り紙本の執筆にとても役に立っています。本をたくさん読めば読むほど、何が面白くて何がつまらないのか、自然に内容が入ってきます。面白いものは学び、つまらないものは避けます。自分のスタイルができてしまっていると、他人から影響を受けることが難しいのです」。
トゥアンさんは自分のスタイルについて、翼のある馬(ペガサス)の例を挙げて説明してくれた。「初めてこの動物を折った時、4本の脚、頭、尻尾と2枚の羽を作りました。他の人が見れば美しいと言ってくれたかもしれませんが、私にとっては何ら特別なものではなかったのです。
『どうしたら他の人が見たときに私が作ったペガサスだとすぐにわかってもらえるだろうか』と考えました。私は『可愛いペガサス』を作りたかったのです。可愛いとはどのような形だろうか。ペガサスの特徴は2枚の羽です。私は小さなピンク色の羽が付いた馬を考え出しました。この形を作ってもまだ満足できず、さらに美しい形に作り直すことにしました。
私にとって『美しい』とはバランスが取れていることで、馬の形を美しく折るには脚を長くして折る必要がありました。そこで、私はフィルム紙を使って折ってみました。そうすると馬に光が差し込み、まるでおとぎ話の中から出てきたように美しい馬になったのです」。トゥアンさんは、こうした研究を積み重ねて自分のスタイルを確立し、プロとしての道を歩んでいる。