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カイン・ロンさんは少年の頃、肘から先の両手を失い右目を失明した。壮絶な境遇を乗り越えて、ロンさんは美術教師となり、メコンデルタ地方ソクチャン省タインチ郡のタインチ中学校で20年にわたって指導を続けている。
ロンさんが子供の頃、家庭の経済状況が厳しくて彼は小学校に通うことができなかった。12歳の時、友人達と共に水牛の世話をしていた際、川に何かがゆっくり流れているのを見つけ、拾ってみようということになった。皆で取り囲んでいた時に、それはいきなり爆発した。1人が死亡し、ロンさんは気を失った。目を覚ました時、両手と右目を失ったことを覚った。
ロンさんの家族は絶望を感じながらも、将来のためにと彼を小学校に通わせようと思い立った。しかし小学校に入学の手続きに行くと、ペンを握れなければ受け入れることはできないと拒否された。ロンさんは数週間練習を重ねてペンを握れるようになり入学が認められたが、さらに字を書く練習に、文字通り血がにじみ出る訓練を2か月間続けなければならなかった。