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もちろん、開発までの道のりは平坦なものではなかった。プログラミングに関してはまったくの素人。そんな彼の教師役になったのが動画投稿サイトYoutubeだった。Youtubeにアップされているプログラミングのハウツー動画を何度も見返し、気づいたら朝になっていたこともしばしばだったという。
そうやって1年以上かけて独学で勉強した後にリリースした初めてのアプリは「SayIt」と呼ばれるブラックベリー用コミュニケーションアプリ。質問を入力するとサーバーに接続され、かなり正確な答えが返ってくる仕組みだ。発想のヒントはiPhoneの「Siri」。「SayIt」をリリースした昨年末の時点でブラックベリーにはこの種のアプリがなかった。このことも売上が伸びた要因と言えるだろう。
ロン君によると、AndoroidやiOSに比べてブラックベリー対応のアプリはまだ少ない上に、ベトナム国内で「App world」にソフトを提供するプログラマーも多くはないという。しかしブラックベリーユーザーの数は徐々に増加中で、大半は社会人なのでアプリを買う金銭的余裕がある。誰にでもチャンスはあるとロン君は話す。
大金を稼いだ今でも、東南部バリア・ブンタウ省出身の彼はホーチミン市の賃貸アパートで友人と共同生活をしている。就職は両親の希望もあり、重機系の会社を考えているという。しかし、アプリ開発も続けていく予定だ。「アプリ開発は今後も趣味で続けるつもりです。これで稼いだお金でいつか両親に家を買ってあげたい」スマホアプリ界の若き新星はどこまでも実直、それでいて親想いの青年だった。