[特集]
スマホアプリ界に突如現れた若き新星
2012/06/03 08:00 JST更新
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ブラックベリーのアプリダウンロードサイト「App world」にアップしたアプリが必ず売上ランキング上位に上る。流星のごとくスマホアプリ界に現れた彼の名はグエン・ロン君(23歳)。一見、痩せっぽちのどこにでもいる普通の青年に見えるが、メガネの奥に光る彼の目はいつも輝いている。
ロン君は現在ホーチミン工科大学電子工学科の4年生。彼は今、卒業制作である自動ロボットアームの完成を目指して日夜作業に明け暮れている。所属している学科はプログラミングとはあまり関係がない。その彼がアプリ開発でこれほどまでの成功を収めたのはなぜだろうか。
きっかけは2年前にブラックベリーの携帯を購入し、自身でカスタマイズを始めたこと。もともと、ものづくりが大好きなロン君は、アプリ開発の世界に一度足を踏み入れた途端、その魅力の虜になったという。
最初のアプリは昨年末に「App world」でリリースした。反応が上々だったこともあり、次々と新しいアプリをリリースしていった。そして初めてのリリースから3か月後、売上はなんと4億ドン(約160万円)に上っていた。ベトナム人大学生にとってはとてつもない大金である。あまりにびっくりしたロン君はしばらくそのお金に手を付けられなかったという。
もちろん、開発までの道のりは平坦なものではなかった。プログラミングに関してはまったくの素人。そんな彼の教師役になったのが動画投稿サイトYoutubeだった。Youtubeにアップされているプログラミングのハウツー動画を何度も見返し、気づいたら朝になっていたこともしばしばだったという。
そうやって1年以上かけて独学で勉強した後にリリースした初めてのアプリは「SayIt」と呼ばれるブラックベリー用コミュニケーションアプリ。質問を入力するとサーバーに接続され、かなり正確な答えが返ってくる仕組みだ。発想のヒントはiPhoneの「Siri」。「SayIt」をリリースした昨年末の時点でブラックベリーにはこの種のアプリがなかった。このことも売上が伸びた要因と言えるだろう。
ロン君によると、AndoroidやiOSに比べてブラックベリー対応のアプリはまだ少ない上に、ベトナム国内で「App world」にソフトを提供するプログラマーも多くはないという。しかしブラックベリーユーザーの数は徐々に増加中で、大半は社会人なのでアプリを買う金銭的余裕がある。誰にでもチャンスはあるとロン君は話す。
大金を稼いだ今でも、東南部バリア・ブンタウ省出身の彼はホーチミン市の賃貸アパートで友人と共同生活をしている。就職は両親の希望もあり、重機系の会社を考えているという。しかし、アプリ開発も続けていく予定だ。「アプリ開発は今後も趣味で続けるつもりです。これで稼いだお金でいつか両親に家を買ってあげたい」スマホアプリ界の若き新星はどこまでも実直、それでいて親想いの青年だった。
[2012.4.18 VNExpress Quốc Huy R]
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