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- 日本人少年のプール溺死事故で調査進展
- 「致死の吸引力あり」との鑑定結論に
- 再現実験に基づき、前回結論から一転
ホーチミン市7区在住の日本国籍の少年(当時10歳)が、2022年4月上旬に南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット市にあるリゾート「センタラ・ミラージュ・リゾート・ムイネー(Centara Mirage Resort Mui Ne)」のプールで溺死した事故について、ビントゥアン省警察捜査局は、ホーチミン市刑事科学研究所の4月22日付け鑑定結論第1926号/KL-KLHSを踏まえ、鑑定結論通知第506号/TB-VPCQCSDTを発行した。
この中で同省警察は、「問題のプールは少年を死亡に至らしめる吸引力があった」と結論付けている。
最新の鑑定結論では、作動中のプールは吸引口に近づいた身長1.4m、体重39kgの人間を吸引する力があるとしており、吸引口に接触した部位が背中だった場合は自力で脱出できず、死に至る可能性があるという。
今回の鑑定結論は、3月25日に問題のプールで行われた事故の再現実験検証の結果に基づいたもので、前回の鑑定結論とは180度異なる。
同事故については、ファンティエット市警察が2022年5月に「業務上過失致死」の疑いで刑事事件として立件。その後、同年7月に「プールの状態と作動原理は適切だった」との鑑定結論を発表した。この時の鑑定結論では、プールの設計書と実際の施工は合致しており、プールに設置された設備、プール内の設備設置にかかる技術やプールの活動状態は、いずれも設計通りとしていた。
また、プールの水を浄化するための吸引・ろ過・排出システムの作動原理も設計に合致し、プールの活動原理上、水泳中または吸引口の位置に立つ身長1.4m、体重39kgの人間を死に至らしめる吸引は不可能と結論付けていた。