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- インド人男性がレストランで心停止
- 偶然居合わせた女性看護師が救命処置
- 飛行機ディレイで起きた運命の巡り合わせ
南中部沿岸地方ダナン市のレストランで24日夜、テーブルを立ったインド人男性が息苦しそうに胸を押さえて倒れこんだ。偶然居合わせた旅行客の女性が迅速な救命措置を施したおかげで、男性は一命をとりとめた。女性はハノイ市バックマイ病院の看護師だった。その一部始終を捉えた動画がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿され、話題となっている。
24日午後8時ごろ、妻と食事していたインド人客N・J氏が、ふらふらとした足取りで倒れこみ、そのまま意識を失った。これを見ていた隣テーブルの女性客が慌てて駆け寄り、男性の脈を確認して、スタッフに救急車を呼ぶよう大声で指示。女性が心臓マッサージを施すと、しばらくして男性は意識を取り戻し、その後、到着した救急車で現地の総合病院に緊急搬送された。
男性は妻と一緒にダナン旅行中で、冠動脈疾患の病歴と冠動脈バイパス手術を受けたことがあった。この2日間は消化器系の不調を訴えており、食事中に心停止を起こしてしまった。幸運だったのは、その場に人命救助のプロであるグエン・ティ・ハーさん(29歳)がいたことだ。ハーさんは、バックマイ病院A9救命センターで働く看護師で、友人らとレストランで食事していた。
ハーさんが男性の脈を確認した際、脈は非常に弱く、顔はどんどん青白くなり、そのまま男性は意識を失って失禁した。男性と妻はどちらも外国人で、ベトナム語が分からなかったため、ハーさんは手際よく男性を床に寝かせて心臓マッサージを施した。病院の外で心停止の患者に遭遇するのは初めてだったため、男性が意識を取り戻したときは心底安堵したという。その後、ハーさんは到着した救急隊員に患者の状態を説明し、病院への搬送を手伝った。
ハーさんは、「映画のようなシチュエーションでした。今すべきことは…すぐ患者の状態を確認して、心臓マッサージを行い、救急車の到着まで患者の反応と状態を確認し続けること。考えている余裕はありませんでした。レストランに行ったのは、予約していた飛行機がディレイしたからです。明日は早くに仕事に行かないといけないのに…と不満を覚えましたが、今思えばディレイがあったからこそ、あの場に居合わせることができたとも言えます。きっと運命だったのでしょう」と語った。