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- 吉野彰氏ら4人、ビンフューチャー賞受賞
- リチウムイオン・太陽電池の研究開発
- 大賞の賞金は300万USD
科学研究と技術イノベーションを促進して世界中の人々の生活向上を目的とする国際科学技術賞「第3回ビンフューチャー(VinFuture)賞」の授賞式が20日、ボー・バン・トゥオン国家主席の立会いのもと、ハノイ市ホアンキエム区のホーグオム劇場で盛大に開催された。
授賞式には、米国のシンガーソングライターであるケイティ・ペリーも登場。「Unconditionally」「Roar」「Firework」の3曲を披露し、観客を魅了した。
ビンフューチャー賞は、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の非営利組織であるビンフューチャー基金(VinFuture)が主催するもので、国籍や性別、年齢を問わず、人類共通の課題を解決するための科学研究や発明、技術イノベーションに貢献した人々に贈られる。
権威のある科学賞を受賞した多くの世界各国の科学者に見守られる中、「太陽電池・リチウムイオン電池」を研究開発し、グリーンエネルギー革命のための画期的かつ持続可能な基盤を構築した日本人を含む4人から成る科学者グループが大賞を受賞した。
授賞式には、◇オーストラリアのマーティン・グリーン氏、◇英国・米国のスタンリー・ウィッティンガム氏、◇日本の吉野彰氏、◇モロッコのラシッド・ヤザミ氏の4人が出席し、トゥオン国家主席から大賞を手渡された。大賞の賞金は300万USD(約4億3000万円)。
吉野氏は電気化学を専門とし、携帯電話やパソコン、電気自動車(EV)などに用いられるリチウムイオン二次電池の発明者の1人でもある。現在は旭化成株式会社(東京都千代田区)名誉フェロー、名城大学大学院理工学研究科教授。2019年にノーベル化学賞を受賞した。
4人のうちグリーン氏は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を研究開発した。一方、ウィッティンガム氏と吉野氏、ヤザミ氏の3人と、米国の故ジョン・グッドイナフ氏は、リチウムイオン電池を研究開発し、それによるエネルギーの貯蔵を可能とした。故グッドイナフ氏も、授賞式で表彰された。
このほか、「疫病に強いイネ品種の発明と普及」、「南極のオゾン層破壊を引き起こすメカニズムを探る」、「糖尿病と肥満の治療の基礎となるGLP-1の役割を探る」の3つの特別賞が授与され、賞金はそれぞれ50万USD(約7200万円)となっている。
「疫病に強いイネ品種の発明と普及」のプロジェクトを進めるボー・トン・スアン氏は、同賞を受賞した初のベトナム人科学者となった。