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古物の民間コレクターのグエン・テー・ホン氏(62歳)はこのほど、フランスのオークションで610万EUR(約9億8900万円)を投じて買い取った阮(グエン)朝(1802~1945年)の金印を、北部紅河デルタ地方バクニン省トゥーソン郡に自ら設立したナムホン王家博物館に無事に持ち帰ったことを発表した。
金印の印面には「皇帝之寶」という文字が刻まれている。金印は現在、博物館の5階の特別展示室で、厳重に保管されている。5階に行くにはエレベーターに乗る必要があり、監視カメラと警備員4~5人による24時間体制の警備が敷かれている。一般人への公開はまだしておらず、知り合いや専門家の参観のみ受け付けているという。
ホン氏は「私は国民の文化遺産に誇りを持っており、その価値を守りながら活かす責任があります。この金印に加えて、他の多くの貴重な文化遺産がベトナムに帰ってくることを願っています」と語った。ホン氏によると、文化スポーツ観光省が近いうちに金印を国宝として認定する式典を開催する予定だという。
ホン氏はバクニン省で建設・不動産業を営む実業家で、キンバック古物研究・収集協会の会長。ナムホン王家博物館は、ドンソン銅鼓や各王朝の陶磁器など、歴史的工芸品5000点を展示・保管している。