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東北部地方クアンニン省産科小児科病院における医療設備器具の取引価格水増し事件で、同省人民裁判所は26日、16人の被告に有罪判決を下した。
同事件は、同省保健局傘下の同病院の幹部らが2012年から、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)などと結託し、医療設備器具の調達で取引価格を談合により水増しし、国に506億VND(約3億1000万円)の損失をもたらしたというもの。AICグループは談合により6パッケージを「落札」、契約総額は2373億VND(約14億5000万円)だった。
AICグループの元会長 兼 社長であるグエン・ティ・タイン・ニャン被告(女・53歳)が主犯格として特定され、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で禁固10年の判決を言い渡された。
この他、AICグループとその関連会社の従業員や、同省保健局、同省財政局の職員など計15人の被告は、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪、または責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われ、執行猶予付き禁固2年~禁固7年の判決が下された。
同事件では、ニャン被告を含む4人の被告が指名手配されており、裁判にも出廷せずに欠席裁判となった。民事責任について、裁判所はニャン被告らに対し、国に賠償金を支払うよう命じた。
これに先立ち今年1月にハノイ市人民裁判所で行われた、東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件の裁判では、ニャン被告は競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で16年、贈賄罪で14年の計30年の禁固刑を言い渡されている。
ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、今回の判決を含めたニャン被告に対する禁固刑の期間は30年のまま変わらない。ちなみに、ニャン被告は、日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物として知られる。
またニャン被告は、ホーチミン市農業農村開発局傘下のバイオ・テクノロジー・センターにおける設備機器取引価格水増し事件にも関与し、今年4月に起訴されて捜査を受けることになっている。