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技術的なソリューションを提供するわけでも、何かモノを作り出すわけでもない「哲学」が、学生集めに大きな苦労をしている。
南部メコンデルタ地方アンザン省のアンザン大学では、2019年に哲学科を開いた。学費は全額無料、学習成績が良ければ奨学金も支給するが、それでも学生が集まらない。募集は毎年20人で、合格点も高くはないが、満員になる年もあれば、半分程度しか集まらない年もある。同大学は、最近開設した学科であり広報が弱いため学生を集められていないと考えている。高校などに広報に行くと、学校としては歓迎してくれるが、哲学を学びたいという生徒は少なく、経済や法律といった学問に関心が向く。教育訓練省の規定では、学生が集まらなければ学科を閉鎖しなければならないため、今後はフェイスブック(Facebook)や大学のウェブサイトなど、様々なメディアを使って広報を強化していくという。
一方で、南中部沿岸地方ダナン市のズイタン大学の教授は、哲学科に対する政策が学生にとって魅力的なものになっておらず、また経済発展が進んでいることが学生の学部・学科選びに影響しているため、哲学を教える大学は学生を集めるための個性を持たなければならないとし、先人の書いた本をなぞるだけという教え方の一新、インターネット上を含め無秩序に溢れる学習教材の整理再編、教授陣の教え方の根本からの見直しといった点を、刷新のポイントとして挙げている。