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1月11日、北中部地方ハティン省フオンソン郡ソンタイ村で、生まれたばかりの赤ちゃんが側溝に捨てられているのが見つかった。女の子でへその緒もついたまま、衣服は着せられておらず、身体には泥がつき、目や足には擦り傷があった。
ソンタイ村人民委員会は、DNA鑑定の結果、この赤ちゃんが村の軍事指揮長であるHさん夫妻の子供であることを明らかにした。
Hさん夫妻は2013年に結婚し、側溝に捨てられていた子供は、彼らの4人目の子になる。
家族の生活に変化が起きたのは1年ほど前のこと。妻が事故に遭って頭部を負傷し、北中部地方ゲアン省の大きな病院で1か月ほど治療を受けて以来、妻の言動は以前とは変わり、時々頭の痛みを訴えるようになった。
ハノイ市の病院で診てもらおうと考えていたが、家庭環境や、子供がまだ小さかったこともあり、延ばし延ばしになっていた。2022年半ば、妻のお腹が大きくなり始めたため、妊娠しているのではないかと何度も尋ねたが、本人は違うと答えるばかりで仕事にも普段通りに出かけていた。そんな中で、事件は起きた。
Hさんは、妻が妊娠9か月になっていたにもかかわらず気づかなかったのは自分が至らなかったせいで、想像だにしていなかったことだけに、とても後悔していると話す。事件後、妻は検査のため入院し、まだ自宅には戻っていない。この1か月あまり、Hさんは眠れぬ日々を送っている。
事件が起きた日、Hさんはいつも通り仕事に出かけていた。自宅近くで捨て子が見つかったというニュースに、多くの人がHさん夫婦の子ではないかと噂した。しかし帰宅して妻に聞いても自分の子ではないと言う。Hさんは、自分自身のため、家族のために確かめようと、病院で診てもらおう、と妻に話をした。
「出産の翌日も、妻は市場に商売に出かけていました。その翌朝、私は仕事に行き、病院に連れて行こうと妻を待っていました。電話をしても出ませんでしたが、メッセージがひとつ入っていました。『保健所で子供を引き取って』と。その瞬間、私は膝から崩れ落ちました。外に出て、橋のたもとでしばらく座って、ようやく気持ちを取り戻すことができました」とHさんは話した。
Hさんは、妻が精神的な問題を抱えているのではないかと考え、省内の精神病院で検査を受けさせたところ、鬱の兆候があり、1年前に頭を打ったことが原因ではないかという診断を受けた。
なお、赤ちゃんは家族の元に戻り、健康状態も安定しているという。