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カンボジア・スバイリエン州バベット市のカジノで働かされていた60人のベトナム人が17日午後、大雨の中でカジノから集団脱走した。
警備員に追われながら、東南部地方タイニン省モクバイ国際国境検問所に向かって必死に逃げるベトナム人らの姿を撮影した映像がインターネットに投稿されて話題となっている。
これに先立つ8月18日、同国カンダル州のカジノで働かされていた42人のベトナム人がカジノから集団脱走し、南部メコンデルタ地方アンザン省とカンボジア・カンダル州の境を流れるビンジー(Binh Di)川を泳いで帰国。その後、調べが進む中で、甘い誘いに乗ってカンボジアで強制労働させられている多くの外国人がいることが発覚し、社会問題となっていた。
今回、バベット市のカジノから集団脱走した60人のうち、56人は脱走に成功し、バベット国際国境検問所に到着したが、残る4人は途中で身柄を拘束されて逃走に失敗。通報を受けたベトナム当局は、カジノから脱出した自国民を保護するとともに、今もカジノに残されているベトナム人らの救出に動くよう、カンボジア当局に要請。
これを受けたカンボジア警察は、直ちに捜査に乗り出し、同日夕方までに、逃走中に捕まった4人も含め、カジノで働かされていた11人のベトナム人を救出した。67人は国境でカンボジア警察に保護され、事情聴取を受けている。
在カンボジア・ベトナム大使館とベトナム国境警備隊は現在、外務省領事局およびカンボジア当局と協力して、ベトナム人らの帰国手配を急いでいる。
なお、救出されたベトナム人らによると、カジノの中国人経営者から数か月にもわたって給与を支払われなかったことで集団脱走を決意。カジノでは、インターネット上で運営されるベトナム人をターゲットとしたいかさま賭博に加担させられていたという。