(C) vnexpress、トゥウ氏 写真の拡大. |
北中部地方ハティン省ギースアン郡クオンザン村タントゥオン村落(thon Tan Thuong, xa Cuong Gian, huyen Nghi Xuan)共産党委員会のチュー・ゴック・トゥウ書記は、外国に不法滞在する子供がいるバックさん宅を訪ねて、帰国させるよう説得したが、はかばかしい結果は得られなかった。この2年でトゥウ氏がバックさん宅を訪ねたのは、もうこれで5回目だ。
同村落には、外国で不法就労する家族がいる家庭が多数あるが、バックさんのように話を聞いてくれるのはまだましなほうで、ドアを開けようとしない家庭も多い。
バックさんには、27歳と28歳になる子供が2人おり、それぞれ韓国と日本で不法就労している。韓国にいる子供は、観光目的で入国し、そのまま不法滞在し働き始めた。韓国で結婚してもうけた子は、ベトナムに帰されバックさんらが育てている。もう1人の子供は制度を使って日本で働き1年ほどしたところで就労先から逃げ、今はある食品工場で働く。
村幹部から何度も話を聞いたこともあり、バックさん自身、外国に不法滞在することのリスクは十分承知だ。だが自分だけで解決できる問題ではない。「子供にいつ帰ってくるのか聞くと、不快な様子で『お金がまだ貯まらないから』『帰ってもする仕事がないから』などという答えが返ってくるんです」とバックさんは言う。
トゥウ氏はこの10年あまり、多くの家庭に対して、外国で不法就労しないように説得して回っているが、そもそもドアを開けてくれないか、ぞんざいな返事しかないことも多い。稀に不法就労中の本人と話ができることもあるが、「経済的に苦しいので、理解してください」という返事があるだけだそうだ。トゥウ氏自身も彼らの心理はよくわかっており、「家族は協力的な態度を見せても、心の中では子供の不法就労に賛成している。貧しい生活を改善するために」と話した。