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7月1日から地域別最低賃金が月額+18万~26万VND(約1050~1500円)引き上げられたものの、労働者との合意に至らない企業は多いようだ。
ホーチミン市サイゴンハイテクパーク(SHTP)で活動するベトナム日本電産サーボ会社の工場労働者およそ1000人は25日、ストライキを実施して、一律26万VND(約1500円)の賃上げ決定を取り消し、案を見直すよう会社側に求めた。
労働者は、同社の賃金テーブル第1等級の労働者について+6%引き上げ、それ以上の等級も相当のパーセンテージで賃上げするよう求めている。
労働者側によると、会社では勤続年数が長いほど給与等級が高くなり、パーセンテージで賃上げすれば、給与等級が高いほど恩恵が大きい。過去の賃上げではこの方式が採用されたため、今回のような一律26万VND引き上げはとても受け入れられない。
先だって会社の労働組合が実施した全体会議でも、一律26万VNDという賃上げ案には労働者全員が反対した。労働者側から70人あまりが代表として出席した会社側との会議でも、労働者は引き続き反対の声を上げたが、会社側は結局、案を変えなかった。
会社側は、長引くコロナ禍で財政的に厳しく例年のような賃上げはできない、賃上げ計画はグループの方針にも従わなければならないとしているが、一方で労働者側は、会社は赤字と言うものの明確な証拠はなく、社員旅行や忘年会といった福利厚生も多々カットされていると不満をぶつける。「物価が上がるなか、労働者は3年近く据え置かれた給料が上がる日を今か今かと待ちわびている。26万VNDではガソリン代にもならない」と労働者側の代表者は話す。
7月1日に地域別最低賃金が引き上げられてから、賃上げ案に合意できていない企業は多い。労働関係研究センターのドー・クイン・チー所長によると、最低賃金が改正されると労使関係の雲行きは怪しくなるのが常だが、今年は状況がより複雑だ。例年と異なり1年の途中での改正となったため、企業は後半6か月の人件費を「自己負担」しなければならない。すでに受注している分に、増大した人件費を上乗せすることもできないからだ。
チー氏は、同社が一律26万VNDの賃上げ案を提示したことは、法律に照らして誤りではないが、労働者側にも希望する賃上げを求める権利があり、労働組合等を通じて交渉することは、完全に合法的だとしている。