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保健省人口・家族計画化総局の2022年1~6月期の人口に関するレポートによると、ベトナムの現在の平均寿命は73.5歳だが、健康寿命は64歳にとどまる。平均寿命から健康寿命を引いた「延命期間」は女性が平均11年、男性は約8年となっている。
60歳以上の高齢者の人口は2011年には全人口の10%だったが、2019年には11.86%となり、2038年には20%に達し「高齢社会」になると予測されている。高齢者の人口比率が2倍になるまでの期間は、米国69年、オーストラリア73年、スウェーデン85年、フランス115年に対し、ベトナムは27年と短く、高齢化が急速に進む世界10か国の1つとされている。
高齢者は同時に複数の疾患(冠動脈疾患、高血圧、変形性関節症、がんなど)を抱えている場合が多く、さらに認知機能の低下や鬱、記憶力の低下などの症状も出やすい。健康状態が良くない高齢者の割合は67.2%に上る。
人口・家族計画化総局教育コミュニケーション部のマイ・スアン・フオン副部長は、高齢者の毎年の医療費は若者の8~10倍かかると指摘。将来労働者の重荷になるのではと懸念している。