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海上での12日間にわたる漂流の末、貨物船に救出された南中部沿岸地方ビントゥアン省の漁船「BTh 97478 TS号」の乗組員5人は、24日午前に南中部沿岸地方カインホア省カムラン軍港に到着し、家族と涙の再開を果たした。
7月10日に海上で連絡が途絶えた漁船の乗組員5人は22日午前11時ごろ、南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市沖合で、貨物船「バッファロー(Buffalo)号」に救出された。これに先立ち、同漁船に乗っていた別の乗組員4人は、既に別の漁船に救出され、海軍によって本土に輸送されていた。
漁船は6月21日、漁民15人を乗せてビントゥアン省ファンティエット港を出港し、同海域で漁獲活動を行っていた。7月10日に本土に向かって航行していたところ、ファンティエット市の南約121海里の地点で荒波に飲まれて沈没。
沈みゆく船から脱出した乗組員は、それぞれ7人と8人の2組に分かれて、かご舟に乗り移り、なんとか一命を取り留めた。しかし、食料と飲料もない状態で、かご船ごと波に流されて離れ離れとなってしまった。漂流中に各組の3人ずつが衰弱死し、遺体は海に流さざるを得なかった。この6人については引き続き海軍が遺体の捜索を続けている。
遭難した乗組員らは家族や隣人同士という間柄。船長を含め、過去にも漁船の沈没事故で漂流を経験した者が数人おり、その時の経験を活かして今回の長い漂流生活を生き延びた。漂流中は海面に浮かんでいた海藻を食べ、雨水を飲んで凌いでいた。水がないときは、やむを得ず海水も少しずつ飲んでいたという。
最年長の乗組員で、32年の漁師経験を持つグエン・バン・ミーさん(男性・58歳、ファンティエット市在住)は、 「漁業は一生の仕事なので、健康が回復したら海に戻りたい」と語った。