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整備中の大容量光海底ケーブル「アジア・ダイレクト・ケーブル(Asia Direct Cable=ADC)」が、ベトナムに陸揚げされた。
これは、同案件に出資している国防省傘下の携帯通信大手のベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)が19日に明らかにしたもの。
ADCは、◇日本、◇中国、◇香港、◇フィリピン、◇ベトナム、◇タイ、◇シンガポールを結ぶ。ベトナムの陸揚げ地点は南中部沿岸地方ビンディン省クイニョン市となる。
ベトテルはシステムを整備した上で、2023年中に同ケーブルの運用を開始する。これにより、ベトテルのベトナムから海外への接続容量は+18Tbps増加する見込み。
ADCは、◇「アジア・パシフィック・ゲートウェイ(APG)」、◇「アジア・アメリカ・ゲートウェイ(AAG)」、◇「アジア・アフリカ・ユーロ1(AAE-1)」、◇「タタTGNイントラアジア(Tata TGN-Intra Asia=TGN-IA)」に続き、ベトテルが出資・使用する5番目の海底ケーブルとなっている。
ADCは総延長距離約9800kmで、設計容量は140Tbps以上。最新の光伝送技術を活用することで、アジア地域のネットワークの冗長性の確保、高信頼な通信の実現、回線需要変化への柔軟な対応にも貢献することが期待される。
投資総額は2億9000万USD(約370億円)。ベトテルの出資分は明らかにされていないが、専門家によると、18Tbpsの容量を獲得するためには3000万USD(約38億円)以上を拠出する必要があると試算されるという。