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東南部地方ビンズオン省保健当局とホーチミン市パスツール研究所は24日、同省トゥーザウモット市南部にて、デング熱対策としてボルバキア菌に感染した蚊3000万匹を放った。
ボルバキア菌感染蚊放出プロジェクトは、放たれた蚊がデング熱やジカ熱の感染源となる蚊と交配することによりウイルスの増殖を抑え、感染源の撲滅を狙うというもの。ボルバキアは自然界に存在する共生細菌で、昆虫の約60%に共生している。
蚊の遺伝子構成を操作するものではないため、自然の生態系や人間の健康にリスクをもたらすことなく、蚊媒介感染症から人々を守ることが出来ると期待されている。これまでの研究により、蚊がボルバキア菌を運ぶことで、デング熱、ジカ熱、チクングニア熱、黄熱病などの感染源減少に繋がると評価されている。
ビンズオン省は今後、8月まで約20週間にわたってボルバキア菌感染蚊を放出。1週間当たりに放つ蚊は150万匹。蚊を放つ場所は、トゥーザウモット市の◇フークオン(Phu Cuong)、◇フーホア(Phu Hoa)、◇フーロイ(Phu Loi)、◇ヒエップタイン(Hiep Thanh)、◇チャンギア(Chanh Nghia)の5街区。
ビンズオン省は、デング熱が定期的に流行する地域であり、感染者数が年々増加傾向にある。同省のデング熱感染者数は、2020年が4370人(うち5人死亡)だったのに対し、2021年は5636人(うち2人死亡)に増加した。