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イタリアに大量のカシューナッツを輸出した複数のベトナム企業が詐欺被害に遭った事件で、イタリア警察は法律で認められる範囲内で同国の港湾に到着したコンテナを凍結する措置の適用を開始した。
これは、在ベトナム・イタリア大使館が明らかにしたもの。今回の詐欺事件はベトナムのカシューナッツ業界で過去最大規模の事件となっている。
ベトナムカシューナッツ協会(VINACAS)によると、国内企業5社は2月にキムハインベト社(Kim Hanh Viet)の仲介でイタリアの複数の購入者にコンテナ100個分のカシューナッツを輸出する契約を締結した。このうち、一部はイタリアの港に到着済みで、残りは輸送中だ。
今回のカシューナッツ購買契約では、支払渡し(Documents against Payment=D/P:信用状(L/C)なしの荷為替手形で、輸入者(買主)が銀行に代金を支払うことを条件に、船積書類が銀行から輸入者に引き渡され、貨物を受け取ることが可能)の決済形式が採用されている。
詐欺グループはこの決済形式を悪用し、何らかの方法で代金を支払うことなく船積書類の原本を獲得したとみられている。
5社は輸送中の64個分のコンテナをブロックしており、ヨーロッパのほかの取引先に売却するための方法を探っている。36個分については、船積書類の原本を紛失しており、被害額は1620億VND(約8億4000万円)に上る。
企業が書類を紛失したコンテナ36個のうち、8個はイタリアのジェノヴァ港に到着済みで、残りは3月末から4月初めにかけて到着する見通し。これまでに、何者かが港で船積書類の原本を提示し、到着したカシューナッツの受け取りを求めたが、詐欺被害届を受理していた同国当局はそれを阻止した。
同事件をめぐり、ベトナム当局は商品をベトナム企業に戻すべく、イタリア当局をはじめとする関連機関と協力して対策に取り組むと共に、詐欺グループの捜査に関しては国際刑事警察機構(インターポール)にも協力を要請する。