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東北部地方フート省のエタノール工場建設案件に関するペトロベトナムグループ(PVN)傘下の石化・バイオ燃料株式会社(PVB)における規定違反事件で、ハノイ市人民裁判所は15日、被告12人に有罪判決を下した。
このうち主犯格として特定された、ベトナム共産党元政治局員・ホーチミン市共産党委員会元書記・PVN元会長のディン・ラ・タン被告(男・61歳)には、「建設事業に関する規定に違反し甚大な被害を引き起こした罪」で禁固11年の判決が言い渡された。
タン被告はこれに先立ち、PVNによるオーシャンバンク(Oceanbank)への違法出資に関する汚職事件など3件の刑事事件で既に合わせて禁固30年の判決を受けている。なお、ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、今回の事件を含めても禁固刑の期間30年は変わらない。
この他、PVN傘下のペトロベトナム建設[PVX](PetroVietnam Construction)元会長のチン・スアン・タイン被告(男・55歳)は、「建設事業に関する規定に違反し甚大な被害を引き起こした罪」で10年、「公務執行にあたり役職・権限を乱用した罪」で8年の計18年の禁固刑となった。同被告も過去の刑事事件で言い渡された禁固刑を含め、計30年の禁固刑となる。
PVNの元社長チャン・ティ・ビン被告(女・63歳)は執行猶予付き禁固3年の判決で、被告12人で最も軽い処分だった。残る被告9人は2年~6年6か月の禁固刑をそれぞれ言い渡された。
PVBが投資主を務めるエタノール工場建設案件(投資総額:1兆3000億VND=約61億円)では、不正発注や請負業者への不正支払いなどの違反があったとされている。
PVBは2009年、同案件を展開する能力を有さないPVXを請負業者として指定していた。これまで同案件に多額の資金を費やしたが、10年以上が経った今も同工場は完成しないままとなっており、被害額は5430億VND(約25億6000万円)に上っている。
民事責任について、裁判所は被告らに対し、賠償金としてPVBに5430億VND(約25億6000万円)を支払うよう命じた。このうち、2000億VND(約9億4000万円)は主犯格のタン被告の負担となる。