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シンガポールの科学誌「アジアン・サイエンティスト(Asian Scientist)」がこのほど発表した「アジアの科学者トップ100人」の2020年版リストに、ベトナムから3人の女性科学者が選出された。
選出されたのはホーチミン市資源環境大学のホー・ティ・タイン・バン助教授、同市トンドゥックタン大学ファム・ティ・トゥー・ハー博士、ベトナム科学技術研究所のチャン・ティ・ホン・ハイン博士の3人。
アジアの科学者トップ100人(2020年版)は、2019年度に科学技術の研究において国内外で賞を受賞した者、研究機関などの役職者であることが選出の条件となっている。今年度に選出された3人は、2019年に科学の進歩に貢献した女性科学者に与えられるロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞している。
バン助教授は材料科学を専門とし、Ti0、8W0、202のナノ材料にPt-Mo合金を触媒することで、再生可能エネルギーとしてメタノールを直接使用する燃料電池のコスト削減について研究している。この研究は、二酸化炭素の排出による地球温暖化の抑制を可能にする、化石燃料に代わる燃料電池の実用化が期待されている。
ハー博士は農学を専門とし、耐塩性のイネ品種の開発と塩害を受けている南部メコンデルタ地方での同品種の普及に貢献している。
ハイン博士は生活科学を専門とし、指紋クロマトグラフィーと最新機器とを組み合わせることで、医薬品の組成と医薬品の品質を評価する研究を行っている。この研究により、研究段階にある医薬品サンプルの有効成分にかかる化学構造や組成、各種物質の含有量などの一連のデータをまとめることで、市場に流通する医薬品の品質評価を可能にすることが期待されている。
アジアの科学者トップ100人の選出は今年が5回目で、ベトナムからは累計で10人の科学者が選出されている。