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ハノイ市の中央伝染病衛生研究所はこのほど、長崎大学と協力して新型コロナウイルス抗原迅速検査キットの開発に成功した。同検査キットでは、血液から分離した血清を調べてウイルスに対抗する抗体を検出する「ELISA法」を用いる。
この検査では、抗体の有無が約2時間で分かり、従来の検査と比べて大幅な時間短縮に繋がるだけでなく、精度も95%と非常に高い。さらには価格も約5USD(約540円)と割安。中央伝染病衛生研究所は、検査キットの量産に向け、研究結果を保健省傘下のワクチン生物製剤研究製造センター(POLYVAC)に提出した。
全国の郡・区レベルの病院でも細胞解析装置が整備されているため、抗体検出キットが実用化されれば、必要に応じてウイルス抗体検査が全国規模で迅速に行うことが可能となる。
なお、ベトナムは既にPCR法(遺伝子増幅法)による新型コロナ検査キットの量産を開始している。このPCR法による検査キット「LightPower iVA SARS-CoV-2 1st RT-rPCR」は、ベトナム人民軍の軍医学院と地場ベトアー社(Viet A)から成るコンソーシアムが製造するもの。
世界保健機関(WHO)が既に同製品に対し、WHO緊急時使用リスト(The WHO Emergency Use Listing=EUL)の基準を満たしていると認定したほか、英国保健機関もCEマーク(欧州連合=EU加盟国と英国で商品を販売・流通するための安全基準適合マーク)を付与した。
このほか、保健省傘下の第1ワクチン生薬製造会社(Vabiotech)も現在、新型コロナウイルワクチンを開発中で、マウスを用いた実験を行っている。