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商工省が経営支配権を握るベトナム鉄鋼[TVN](VN Steel)傘下のタイグエン鉄鋼[TIS](Tisco=ティスコ)における違反事件に関連し、ベトナム共産党中央検査委員会は9日、審査を経て政治局員 兼 ハノイ市共産党委員会のホアン・チュン・ハイ書記が同事件に関与したとして、同氏を処分する方針を明らかにした。
同氏は副首相在任中にタイグエン鉄鋼工場拡張案件(通称:第2ティスコ)を直接的に指導したとされる。同事件では、2005年に承認された同案件の投資総額が当初の3兆8000億VND(約180億円)から、その2倍以上にあたる8兆1000億VND(約386億円)へと違法な手段で大幅に引き上げられた。さらには、EPC(設計・調達・建設)契約を結んだ中国請負業者に契約額の92%も支払ったにもかかわらず、全ての工事項目が完成しておらず、既に老朽化が進んでいる。
同事件をめぐって、捜査当局が2019年4月に容疑者らを起訴し、公安省傘下密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)が「公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした容疑」などでTVNとTISの複数の元役員を逮捕し捜査を進めている。
党中央検査委員会は、この違反が党の尊厳を損ない、多額の公的資産損失をもたらしたとして、ハイ氏およびTVNとTISの党委で元常務部のメンバーらを処分する方針を示した。なお、政治局員のハイ氏に対する処分法は党中央執行委員会が決定する。